胆嚢(たんのう)の病気

胆嚢、そしてそのまわりの臓器が引き起こす病気には以下の物があります。
1.胆石症
このサイトのメインテーマでもある胆石症です。
3割近くの確率で胆嚢内に結石がある事がわかっており、脂っこい物を食べた際に胆嚢が胆汁を出すために収縮したり、胆石が胆管を通り抜ける際に疝痛発作を引き起こします。
また結石があるにもかかわらず、疝痛発作などの痛みがない人も存在し、「サイレントストーン」と呼ばれています。
主な治療法は胆嚢摘出で、胆嚢を取ってしまう事が現在の医療では最も多く適用される根治治療法です。
2.胆嚢炎
胆嚢が炎症を起こし、右上腹部の痛みや息を吸った時の腹痛、嘔吐、発熱などを引き起こします。
この胆嚢炎を発症する人の9割が胆石保持者ですが、まれに石がないのに胆嚢炎を引き起こすケースも存在します。
自然治癒する場合もありますが、炎症が長く続くと臓器癒着や白血球上昇、胆嚢壊疽、胆嚢穿孔、黄疸、膵炎、イレウス症などの合併症などの危険もあり、早急な治療が必要です。
3.胆石性イレウス
イレウスとは腸閉塞のことで、大きな胆石が原因で起こる症状です。
胆嚢と消化管が癒着をおこし、大きな胆石が腸内に移動して腸の狭くなった地点で止まってしまう事により腸閉塞を引き起こします。
これも早急な手術が必要になります。
4,胆嚢癌
早期発見が難しいガンで、有効な治療方法もないために予後がとても悪いです。
胆嚢内部にポリープとして出現し、胆嚢癖、リンパ菅や神経に沿って転移を起こします。
そしてさらに大きくなった癌が胆管を閉塞すると黄疸や胆管炎を起こし、この時点で初めて自覚症状が現れますので治療が大変むずかしいのです。
その他にも、最近ニュースで話題になってる胆管癌も、胆嚢まわりの癌です。
大阪市内のある印刷会社の従業員の内、5人が胆管癌で死亡したというニュースは記憶に新しいですね。
このケースは通常の発生率の2900倍だそうで、原因究明が待たれます。