胆嚢(たんのう)を切除したら?

胆石症の治療に関しては「胆嚢ごと摘出する」というのが最近の医療では最も多く適用される治療法です。

しかし、やっぱり臓器というものは全部揃ってて当たり前、という感覚は特に今まで健康だった人にとっては当然の感情です。
出来る事ならばお腹を切りたくない、手術なんて怖いという気持ちももちろんわかります。

グラビアアイドルで現在はタレント活動が主な岡本夏生さんも去年、胆石を患い緊急入院しましたが、グラビア出身の彼女らしく「お腹に3つも4つも穴を開けられるなんて耐えられない」という理由で手術を拒否されています。
これは彼女のお仕事上、致し方無い気もしますね。さすがのプロ根性というべきでしょう。
そういえば、世界的に著名なギタリストであるエリック・クラプトンも胆石による緊急入院で、ライブをキャンセルした事があるそうです。

私自身も最初は手術で胆嚢を摘出、とサラリと言われた時には
先生に対して「何を言うておるのだこのおっさんは」と若干カチンと来たものの
いろいろ調べていくにつれて、「他の治療もなんか面倒くさそうだし、摘出しても大丈夫かな」と最後には胆嚢摘出する事を選択しました。
幸い、人前で裸になるお仕事でもなかったですし、腹の傷を気にするようなアバンチュールの予定もありませんでしたので(笑)

さて、胆嚢を摘出したらそのあとはどうなるのでしょうか。

もちろん散々苦しめてくれた疝痛発作は結石はおろかそれが入っている胆嚢自体もすでにないわけですから、全くありませんでした。
あの背中のコリも今ではまるで夢だったように、快調ですっきりとしています。

人間の身体というのは不思議といいますか、大変よく出来てまして、胆嚢がなくなったとしても肝臓が胆嚢があった時と同じような濃度の胆汁を分泌するようになります。
ただしこれには個人差があるようです。

私の場合は手術して退院してからも、あの疝痛発作の記憶が生々しいせいか
脂っこい食事をする事に対してまるでトラウマのようになってしまいまして、食生活および食事の仕方がすっかり変わってしまいました。

退院した翌日に焼肉を腹いっぱい食べました、というブログもいくつか見まして、「よし、オレも手術して退院したら腹いっぱい肉を食うぞ!」と思っていましたが、いざ退院してみるととてもそんな気にはなれません。

胆石発覚前は脂っこい肉と三杯メシ余裕ッスよと数分足らずで平らげてた自分が、あの発作を経験して以来、ご飯は茶碗1杯、味噌汁とモヤシの茹でたのにポン酢みたいなメニューに変わったのですけども、退院してからもそんなメニューが主になっています。
筑前煮とかかぼちゃの煮物、油を使う場合でも揚げだし豆腐ぐらいが限界のメニュー。
よく噛んでじっくり味わって、会話も楽しみながらというスピード感のない食事タイムになりました。
早飯なら誰にも負けない、とわけのわからない自負があったのが嘘のようです。

術後、下痢をする人が多いといろいろなサイトで見かけましたけども、こんな食事を継続しているせいなのか下痢どころか若干便秘気味な日々です。
なので、繊維質多めの野菜を取り入れたメニューを導入して今に至ります。

おかげで体重が減り、食費も1/3になり、食事時に会話が増えて妻はたいそう喜んでいます(笑)

しかし!中には胆嚢摘出後も疝痛発作などが続くケースがあるようです。
これは胆嚢摘出後症候群と呼ばれるもので、術後に胆道の運動異常が認められる場合にこう診断されます。
総胆管結石が新たにみられたり、十二指腸乳頭(にゅうとう)(総胆管の十二指腸への出口)が狭くなっていたり、胆道気腫症(たんどうきしゅしょう)(胆道 に空気が入り込む)や、さらにわずかに残っている胆嚢管に胆石が再発したり、細菌の感染が起こるなど様々な理由で、発熱や黄疸に至る人もいます。

中にはどんなに検査しても胆道や周囲の内臓に原因となる病気が見つからないにもかかわらず、症状が続くことがあるそうです。

こんな場合は我慢せずに、すぐに執刀医に連絡して再検査をおすすめ致します。

 

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